「母べえ」を観ました

 山田洋次監督の作品で吉永小百合さんが主演して話題になっている映画「母べえ」を観てきました。
 若い頃より、山田作品は大好きで「男はつらいよ」は家族で見に行ったものです。「幸せの黄色いハンカチ」「遥かなる山の呼び声」なども大変好きな作品でした。でも、あの時代劇の三つの作品は、いい作品なのでしょうが、私は好きになれなかった。
 今回の「母べえ」は、平和を考えさせられた素敵ないい映画でした。
 野上照代さんの「父へのレクイエム」(現在は「母べえ」で出版)という自らの体験を書き綴った本が原作だということです。
 戦争を国策として推し進める上での最大の邪魔者は、戦争に反対したり平和の大切さを説く思想です。こうして思想を持つものは思想犯として囚われていった。日本の中国への侵略に抗議する文章を書いた野上滋は、警察に思想犯として捕らえられてしまいます。そして獄死。
 夫である「父べえ」は決して悪いことはしていないと信じながら、あの時代の中で母として家庭を守り抜く「母べえ」と滋の妹久子、教え子の山崎の暖かい人間関係が描かれた作品です。
 この映画は誰が英雄だということでもない。みんなが時代に翻弄されながら、しかし、正しいものを信じようとしながら生きていた時代が描かれていました。
 今、こうして自由にモノを言えるのは、こうした暗黒の時代を体験した反省が平和主義・民主主義を日本国憲法に結実させていったからですね。
 是非、みなさんも観てください。平和を訴えることが国賊と呼ばれた悲しい時代の物語です。でも「母べえ」は苦しみながらも力強く生きていった。
感動の映画でしたよ! 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です