キティより生身の猫
もう35年も前になりますか。私のうちの近くに、真っ白いメス猫が住んでいました。いわゆる野良猫ですが、ある程度人に慣れていました。この猫が子どもを産み、子育てを始めました。二匹の子猫を連れて、私の家の周りをうろついていたり、子どもを優しい目で見つめていたり、本当に嬉しそうです。ある日母猫が、トカゲをくわえてきました。トカゲを殺さないよう、しかし逃げてしまわないように、上手にくわえて来ました。子猫が走りよります。そこへ母猫は、トカゲを放す。子猫は動くトカゲを見ながら腰を落としそーっと近づく、手を出してみる。
母猫は、子猫を教育しているのです。たっぷりの愛情を持って・・・。感動でした。
動物を人間の子どもの知能年齢で、人間の何歳ぐらいの知能ですとよく言いますね。私は、これほどおかしなことはないと思っています。この考え方でいくと猫は人間の3才の知能も無いということになるでしょう。しかし、猫達は、愛情たっぷりで子猫を育てるのです。トカゲを持って来ておもちゃにする。狩を教える。人間の親達と同じですね。ちゃんとした母親です。知能の問題ではありません。子どもへの虐待が問題になる世の中です。人間の手本となるような気もします。
この猫達は飼い猫で無いから、この様に餌を探すこと、狩をすることを教えるんでしょうね。やはり自然の中での生活が猫らしいのかな。
こういう猫の生活を見ていると、猫を擬人化したキティちゃんなんかより自然の中の猫の方が人間的(?)に見えてきます。「自然の中の猫を見てごらん本当に面白いから・・・。」と孫達に教えていきたいですね。