ゴン太郎

 以前、爽快館には玄関の前で患者さんを待つ猫がいました。患者さんがおいでになると、うれしそうに走りより足にまとわりついていました。
 キャットフードを買ってきていただいたり、えさ代をいただいたり、なでていただいたり大変な人気でした。
 母が家庭菜園に行くとやせた猫がいて、家までくっついて来てそのまま住みついてしまったという猫なんです。そのときには、一匹「チョンちゃん」という猫がいましたが、おとなしい猫だったので新入りの猫のほうが大きな顔をしていました。新入りの猫にも名前が必要です。猫は何匹も飼ったので、ダブらないようにと名前を考えた結果「名無しの権兵衛」にヒントを得て「ゴン太郎」となりました。
 何故かこの猫、患者さんが来られると走りよっていくようになりました。猫が嫌いな方には迷惑だったかも知れませんが、多くの方が挨拶を交わし爽快館に入られていました。
 迷い込んだ猫でしたので年齢などがはっきり分からないままでした。去勢手術をしたり予防注射をしたりはしましたが、病気はしない猫でした。数日あまり動かず、風邪でも引いたのかと思っていました。2004年の10月、朝から姿がみえなかったので探してみると、ダンボールをおいた影で亡くなっていました。数日前まで、自分の仕事と思っていたのでしょう、患者さんをお迎えしていたのに・・・。いま考えれば相当高齢だったかも知れません。あれから2年たとうとしていますが、いまでも「ゴンちゃんがよく迎えに来てくれました。」と皆さん懐かしがられます。皆さんにかわいがられて、本当にゴン太郎も幸せだったろうと思います。

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