体使いの常識
昨日、携帯電話を購入した後に時間ができたので、久しぶりに香椎の極楽湯に寄りました。(私は、この極楽湯という名前が大好きです)
極楽湯には、黄土の湯という黄土で壁を塗った低温サウナがあります。ここでジックリ汗を出してます。昨日は平日の午後で、お客さんの多くが高齢の方という状況でした。
黄土の湯で、私の前で汗を流す70代と思われる方が体操を始められました。勢いをつけてエイエイと体を動かされます。勢いをつけて素早くエイエイとやるのが元気でいい体操ということになっているのですね。そのうち、動きにくい方に、グーッと動かして顔をしかめてストレッチです。
この方の動きを見て、少し考えさせられました。爽快館で「体を前に曲げてみて下さい。」というとほとんどの方が、勢いをつけて曲げられます。そして、その中の幾人かは、ラジオ体操の前屈運動のごとく勢いをつけて細かい前屈を繰り返されます。すべて、ラジオ体操の動きようです。
やはり、幼い頃から続けてきたラジオ体操が、私たちの生活にしみこんでいるんですね。そして、左右平等に動かす。痛いくらいが体に効いている等、私たちが作り上げてきた健康常識が検証もされずに続けられています。そのことで、不健康が作られているかも知れません。
体を鍛えるのに、しかめっ面はいらないですね。ニコニコとして苦しくない位運動を続ける。そして慣れてきたら少し負荷を上げていく。こうしたほうが健康的です。また、動きにくい方にグーッと引っ張らずに、左右動かしてみて動きやすい方にだけ、ゆっくり数回動かし最後にどれくらい動きやすくなったか確認する。こういう動きの方が体が楽になります。こんな、やってみれば分かることですので試してみてください。
健康常識が、体の声を聞かずに頑張れ頑張れで頭で考えられて作られてきた気がします。これからは体の声を聞くことも大切と思います。胸を張れ、「キオツケ」の姿勢はこうだと作り上げられてきた身体文化が、江戸時代まで続けられた、日本的身体文化を引き継いだものでは無いと思います。
昭和の軍人の写真は体を張っているのに対し江戸末期の侍の写真は、肩の力が抜けていると思われませんか。身体についての捉え方が違うのではないか。日本的が西洋の身体文化を入れ込んだ形で作り上げられて来たのでしょう。でもそれが、体によいものとは限らないですね。今、甲野先生や宇城先生などの武道家、能楽の方などが身体操法について本やビデオなどを出版されてますね。いくつか読んでみましたが、面白いですね。もっと深めてみたいと思っています。
昨日、目の前の元気なおじいちゃん、もうチョッとゆっくり動きやすい方に動かすと楽になるのにと思いながら、汗をかきかき考えました。