心の傷

 「純情きらり」  終戦を迎え、多くの人が戦争のために負った心の傷を引きずりながら生きています。
 東吾は、空襲のときの惨状を体験したことが元でしばらく絵をかけなくなったし、マロニエ荘の仲間達も、生活のためと止むに止まれず戦争に協力的な絵を描いてしまったと悩む。
 そんな中での達彦の帰還、よかったよかったで終わると思ってました。ところが、達彦は戦場で部隊が撤収する時に、負傷した戦友を置き去りにしたことが頭から離れず自分を責め続けていました。桜子と話も出来ない状況です。桜子の努力で、やっと戦友の姉と会って謝罪することが出来ました。このようにして、戦争の傷痕が消えるまで多くの方々が苦しんだのでしょう。今週の「純情きらり」で考えさせられました。
 戦友の若山という青年の姉さんが、達彦の謝罪を受けて言った言葉は大変重みがありました。忘れたくないのでここに書き込んでおきます.達彦の「どうかお許しください。」に応えて、
「許しません。許してしまったら弟が浮かばれないからです。この戦争を私は許さないことに決めたんです。この戦争が良いこと、正しいことだ。戦うべき価値があるのだと弟を奮い立たせて戦場へ送り込んだ人達のことを、それをとめなかった自分を。ですから、あなたのことも許しません。
 あなたには未来がある。でも、弟には無いんです。」
 多くの人が亡くなり、多くの人が心に傷を作ってしまった。そこから、戦争を振り返り平和国家の道を歩きだしたのだと思いました。 いまは、小中学校の先生方には、戦争体験者はまったくいなくなってしまいましたね。日本人の中から、戦争の記憶が消えてしまわないように、是非、子ども達に語り継いでいきましょう。

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