施術中は・・・
以前、腕が痛くて上がらないということで、北九州市から来られた方の話です。それまでマッサージに行っていたそうです。痛いのを我慢してやってもらうが痛みは取れない。それで、知人に紹介されておいでになりました。
マッサージで無理に筋肉を押されたりもまれたりすると翌日は痛みがひどくなるということです。もう、絶対にマッサージには行かないという約束をしていただきました。でも、マッサージと縁が切れるまでしばらく期間がかかりました。せっかく調子が良くなっているのに、マッサージに行ってまた悪くなるを繰り返します。完全なマッサージ中毒の状態でした。
マッサージ店での習慣で、来られればベッドに横になって、早速、イビキをかいて寝込んでしまわれます。操体法の動診をやっていても、答えてくれません。いつも、起こしながらの施術で大変でした。
ある日、私の問いかけに、「そげなんこと言われても分からん。」と、眠りを邪魔されたということで怒った様子です。私もとうとう「分からんじゃないでしょう。ちゃんと答えんから痛みもとれんとです!!」と、大きな声を出しました。それから、あわてて、こちらの問いかけには答えてくれましたが、お互いイヤな雰囲気です。
帰られた後に、疲れ果てて眠り込んでしまわれる方が多いこと、年配の方で懸命にどちらが快いか応えようとしても分からない方、様々な顔が浮かんできます。正しい動診がどうこうの問題ではない、と思いました。
たとえ相手が眠っていようとこちらで軽く動かしながら、問題の箇所を探し出す。それを軽く揺らして調整をしていくという方向が見えてきました。これを、施術で試しならまとめていきました。気持ちがよくて、いつの間にか痛みやコリが取れていると喜ばれる様になりました。
これ以降、この方の動きも改善され元気になられましたし、マッサージに行っても強く押されたりもまれたりすると痛くて・・・もういきません。とおっしゃいます。体も正常になりました。
こちらの希望と本人の希望とやはり、それなりに話し合いながら施術しなくてはと思うようになりました。テキストどうりにはいかないものだし、痛みで苦しむ方を「私の療法が理解されないなら」とほったらかすわけにもいかないですしね。縁あってこられた方が、楽になる方法を工夫することこそ大切だと考えます。
青葉での操体法の勉強会でも、揺らしのコツややり方も説明しながら取り入れています。揺らした後で、動診すれば、快適感覚が復活・正常化し連動を自覚しながら側から見ても快さが分かる操体の動きがでてきます。快さをみんなで楽しんでますよ。