東京大空襲

 17日・18日と二夜連続でドラマ「東京大空襲」が放送されました。昨日の後編は見たのですが、17日の前編はビデオの予約を忘れて出かけて見逃しました。
 この番組、日本テレビが開局55周年記念スペシャルドラマとして、体験者からの綿密な取材を元に作られたということです。
 昨日の放送で見た爆撃を受けて逃げ惑う人々の姿が痛ましい。逃げ切れず猛火の中で黒焦げになった死体の山。これが63年前の日本の悲しい姿だったんですね。
 ちょっと東京大空襲について調べてみました。
 東京大空襲以前のアメリカ軍は、軍事施設や軍需工場目標の爆撃をしていました。アメリカ軍の指揮に当たっていた、ヘイウッド・S・ハンセン准将が、日本軍による中国に対する無差別爆撃に対して、非人道的という感情を持っていたからだそうです。しかし、これでは効果が上がらず1945年カーチス・E・ルメイ少将と指揮を交代。軍需工場の労働者の家や使用する道路・鉄路を破壊する大規模な無差別爆撃を始めることになったのです。
 非戦闘員を大量に殺害する無差別爆撃の始まりが「東京大空襲」だったのです。
 アメリカ軍は、爆撃の効果をあげるために、日本の家屋について徹底研究しています。日系人が多いハワイから畳を持ち込み、木造住宅を作り、実際に燃やして焼夷弾の開発に当たったとか。そして、関東大震災の時の火災を検証し、木造住宅の密集する下町を攻撃目標に選んでいます。(現在の江東区・墨田区・台東区)
 昨日の番組では、周りから爆撃し中心部に人を避難させ、そこを狙って爆撃し大量殺人を狙う計画を立てていたと解説されていました。
 こうして非戦闘員の大量な死者が出ることを狙った「東京大空襲」が3月10日に日付が代わってすぐにB-29爆撃機325機(爆撃をしたのは279機)が低空から東京上空に侵入し2時間にわたって大量の焼夷弾を投下しました。
 警視庁調査での被害数
 死亡    8万3793人
 負傷者   4万918人
 被災者 100万8005人
 被災家屋 26万8358戸
 この死者の数には遺体が早期に引き取られたものは含まれていないということです。
 民間団体や新聞社の調査では、死亡は10万人を超えるということです。東京の三分の一以上の面積(41平方キロメートル)が消失しています。
 もう、このような悲劇を起こしてはならないですね。日本の爆撃機も中国で無差別爆撃を行っていた事実も、私たちは知っておくべきだと思います。日本という国は、アジアの人々に大きな犠牲を与えたのは隠し様の無い事実だと思います。
 戦争体験者が高齢化しています。今回の番組制作に当たっての調査は、大切なことだと思います。今後もこうした調査が続けられ戦争の悲惨な記憶が日本人から消えない事を願っています。
 なぜか、「美しい国」とか「美しかった頃の日本人」とかいった事を言う一握りの人たちがいます。少数意見も大切にしなければと思いますが、事実をちゃんと見た意見なのでしょうか。何故、あの逃げ惑う子供たちが「美しい」のか。特攻で殺された若者たちが「美しい」のか。私たち国民が受けた悲惨な戦争体験をなんと思っているのか・・・。

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