武士の一分

 今日は正月休みを利用しての映画鑑賞でした。昔は毎年、子供達と『男はつらいよ』を見に行くことが私達夫婦の楽しみでした。でも今は子供達も成長して・・・ということで、久しぶりに妻と二人で『武士の一分』を見に行きました。
 フーテンの寅さんのシリーズや、それ以前の山田作品をよくみてきた私にとって、この映画はいったい何なのだろうという気持ちで一杯でした。確かに、面白いんです。テレビドラマをみて、誰が監督したか分からないような方のドラマで、正月見たというんなら、「『武士の一分』のテレビドラマ見たや。」「おお、見た見た。」「良かったね。」「おお、良かった。キムタクもなかなかやるやん。」で終わったと思います。しかし、山田監督の映画での作品です。フーテンの寅さんで見せた人間味溢れる映画はどこへ行ったのか、時代劇ということで武士の一分を守るということでの殺人劇を山田監督が描くということが分かりません。武士社会への風刺なら分かるが、「果し合い」を美化し、「腹を切る」こと武士の潔さとして語る場面など、全くいただけません。夫婦の絆を描いたというならもっと描き方が無かったのかと残念でなりません。セットも安上がりだったでしょうね。
 私にとって、人間の優しさ、連帯の大切さを教えてくれた、これまでの山田作品とのあまりの差に戸惑うばかりでした。

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