歴史認識・・・
先週から今週にかけての『ごちそうさん』ですが、いよいよ戦争も本土に空襲が始まる事態になりました。
長女のふ久は、長男泰介の先輩と結婚、次男の活男は調理師として働きたいと海軍に志願して入隊。
夫の悠太郎は、大阪の空襲に備えての家屋の引き倒しの責任者になりました。そして防火訓練を指揮した時に、焼夷弾の恐ろしさを訴えたことが元で警察に捕らえられました。軍のお偉さんにめ以子と、市役所の上司で頼み込んで釈放となりました。しかし、満州へ軍属として派遣されることに・・・・。もう、満州に行くということは死を覚悟しなければならない事態になっていたんです。
次男の活男が志願するという時のめ以子の苦悩、母親であれば当然のことです。しかし、この時代公にされれば非国民とレッテルを貼られる時代です。また、子供や若者たちには自由な職業選択などありえない。
木下恵介監督が軍からの依頼で作った映画で、出征する我が子を涙を流しながら送るという場面を作った。このことが、軍の怒りを買い木下恵介監督は戦地に行かされたということを聞きました。涙など戦意高揚にならないということでしょう。
でも、『ごちそうさん』のめ以子もそうですが、戦地に赴く我が子に涙しない母親などいない。
戦争という魔物に飲み込まれて行く、日本の姿・・・め以子の家族の今後に不安を覚えてきます。
「特攻隊員から母のように慕われた鳥濱トメさん。
彼女に聞かせてもらった隊員たちの真実の声。
過酷な時代を生きた、美しい日本人の姿を残しておきたい。」
この言葉、石原慎太郎議員が『俺は、君のためにこそ死にに行く』製作総指揮者としてパンフレットに寄せた言葉です。
過酷な時代を生きなければならなかったということは事実でしょうが、その時代を生きた生き様は美しいとかで表現できるものでしょうか?
歴史認識という言葉が、中国や韓国との関係で使われますが、日本の庶民の歴史感覚ともズレた議論が展開されつつあるような気がします。そういう意味からも、今後の朝ドラに興味を持ちます。