薬効かぬ結核

 今日の「朝日新聞」一面トップに「薬効かぬ結核 年100人」という記事がありました。既存の治療薬がほとんど効かない「蝶多剤耐性」の結核患者が、05年に国内で結核を発症した2万8千人のうち約100人いたという推計がでたということです。
 治る見込みが無い患者さんを病院においておくのは人権上問題があるということで「自宅での隔離」の措置も検討するということです。
 これは恐ろしい。ドラマなどで蔵の中に一人閉じ込められた結核患者に食事を運ぶ場面など見たことがあるでしょう。あの状態が出現するかも知れないということです。隔離しているつもりで感染が広がったらどうなるのか?何故病院で治療をしないのか?病院で治療を受けられないということの方が人権問題のような気がしますが・・・。
 今後様々議論されていくことでしょうが、国民が健康に生活できるようにということを念頭において議論することが必要と思います。
 それと同時に、現代医学の落とし穴という気がします。耐性菌ができるメカニズムは、「通常の結核は4種類の薬を半年ほど飲めば大半が治る。だが途中で服薬をやめるなど治療に失敗すると、複数の治療薬が効かなくなる多剤耐性(MDR)が発生。他の薬による治療が必要になり、治療に2年はかかる。これらの服薬なども効かないのがXDRだ。」(朝日10月14日)ということです。病原菌が治療の失敗で薬に打ち勝つ力を持ってしまうということです。抗生物質の使い方を誤ると、耐性菌が発生することが有るんです。怖いことであるし、医療の根本を考えていかなければ大変なことに。
 人間の免疫力に目をむけ、これを高めることも大切なことだと思います。現代人は、ストレスや食べ物、運動不足などでかなり免疫力が落ちていると思います。水虫はカビが原因といわれますが、免疫力が低下したところにハクセン菌が付くと発症するということです。免疫力が問題ですね。
 免疫力に目を向けた医学がかつてヨーロッパにあったが、細菌学の発展で姿を消したということを読んだことがあります。(調べて今度お知らせしますね)
 人間の体や病気について、様々な捉え方があると思います。本当に、人間にとって必要な医学・医療は何か考えていかなければ、この面でも人類は危機を迎えてしまいかねませんね。

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