七草

 我が家では、毎年1月7日には母が七草粥を作ってくれます。大量に作り翌日昼まで毎年食べています。昔の人は、芽が出始めた春の七種の野草を粥ににいれ食べることで弱った胃腸をいたわり、春の農作業に備えたのだと思います。こうした食や生活の習慣は、それぞれの民族や地域社会が体験から導き出した知恵がたっぷりですね。
 不思議なのは、この時期まともに七草が揃うはずが無いということです。元々、日本の生活習慣は太陰暦を基準に作られていたものです。因みに、太陰暦(旧暦)で元日は、現在使われているカレンダー(太陽暦・新暦)の2月18日です。七草は2月24日ですね。これなら、春は目前、「新春のお慶びを・」で話が通じる。七草も芽を出して手に入るでしょう。
 「暦の上では・・・」と太陽暦に太陰暦の習慣を当てはめて言うことが多いですね。それで暦は形だけのものと思われてしまいます。本来、暦は生活の中で作られ生活に役立っていたもので、それぞれの地域や民族で豊かにされたものです。古代遺跡に天体の動きを観測していたという場所が見られるのは、暦を作って生活のサイクルを知ろうとしたからです。旧暦から新暦の入れ替えで、ごたごたになってしまった暦の知恵を考え直し生活の中に活かせるようにしたいですね。
 いまだに、アジアの国々では、旧正月を祝う習慣があるのは、それぞれの民族が培った知恵を生活の中で役立てているからでしょう。暦と生活と健康の関係は興味深いものがあります。
 

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