「加害者」の一人?
西日本新聞の『食卓の向こう側』、今回の連載は「海と魚と私たち」ということです。多くのみなさんが読んでおられると思います。
今日は「生物濃縮」ということで、海の汚染や食物連鎖の記事でした。
プラスティクの難燃剤として使われていたPCBの代用として使われている塩素を臭素にかえたPXBこれも強毒性の物質だったということです。このような汚染物質は数千種類も推定される。規制対象は29種類ということです。つまりほとんどの物質が野放し。これらの物質が、土に入り水で流され海に入り、海の食物連鎖でプランクトンから大型魚に回りまわっていく。この時、汚染物質が濃縮されている。これが人間の口に入っているということですね。
昨年秋厚労省が作ったパンフレット『これからママになるあなたへ』は、大型魚などの食べ方に注意を呼びかけたということです。大型魚に含まれる濃縮され高い濃度になった水銀が胎児の神経発達などに影響を与えることが懸念されるということです。
「『有害な○○が見つかった』という情報に過剰反応するのは、ある意味、『○○がダイエットに効く』という情報に踊らされるのと同じこと。 ・・・魚には、動脈硬化症の予防効果が高い不飽和脂肪酸のような大切な栄養も豊富。どんな食べ物にも一長一短あって当然。」ということで『絶対的安全なんて無い』のだからということです。
今日の記事、言わんとすることは分かるのですが、表現にチョッと疑問を持ってしまいました。
情報に過剰に反応することは問題だと思います。しかし、「ダイエットに効く」という問題と同一視することは意味が違うのではと思いますね。これは、明らかに毒性があるものの話です。カネミ油症・イタイイタイ病・水俣病などの経験を振り返らなければならないでしょう。情報に過剰反応という部分だけを取り上げて「一緒だ」といっていいのかどうか・・・。
これまでの日本での食に関する公害の経験に学び、過剰な反応ではなく冷静な対策を立てることが必要です。記事の中の『大トロより赤身』などという魚を食べる時に留意すべきことは、こうした冷静な対応策と思うのです。どんな食物にも一長一短があるということではなく、汚染の結果つくられた一短が問題となっているのですからね。
最後の「・・・環境汚染のもとをたどれば暮らしに行き着く、私たちはそろそろ、自らも『加害者』の一人であると気づき、海、それにつながる川や土と真摯に向き合うべきではないか。」という呼びかけは同感です!!