しごき

 数日前から、時津風部屋での17歳の少年への暴行死亡事件の報道を見聞きします。今日も、テレビ欄を覗くと多くのワイドショーで取り上げられています。遺体を親に無断で火葬しようとして、隠蔽工作を計ろうとしたなどとという見出しが。
 今日は、これらに加えて監督官庁である文部科学大臣から、日本相撲協会の理事長に指導が有ったということです。多くの部屋でこういう暴力的な指導があったということではないと思いますが、稽古の厳しさといじめや非科学的トレーニングでの根性論的指導を区別する必要がありますね。
 いつも思うのですが、武道やスポーツで何故楽しく仲間達と学びあうという楽しい練習ができないのか。スポーツオンチである私には分からないのです。高校時代に所属していた剣道部はあまり厳しいことは有りませんでしたが、玉龍旗の会場では有名な学校では、先輩が竹刀で後輩を殴りつけたり、つついたりする光景を見たこともありました。今から35年以上も昔のことですから、今はそういうこともないのでしょうが。
 練習は楽しく、みんなで学びあいながらでは成長しない。厳しくしないといけないという考えがまだはびこっていて、今回の相撲部屋での事件に結びついたのではないかという気がします。
 高校の運動部での合宿で、腕立て伏せをやり続けて腕が動かなくなった、走り込みをやりすぎて脚に痛みが出て試合に出られなくなったなどという、合宿での過度な練習による疲労についての相談が来ることがあります。こういうのは明らかに、めちゃくちゃなトレーニングによって起こった筋肉の疲労です。筋肉を緩めながら、指導者がトレーニングについての理解があったならば起こりえないことだと思います。こうした、無知が子どもたちの技術の進歩を引き出すことができず、必要以上の過度なトレーニングをしいて、ついてこれない者は根性が無いとしごくということになっているのではないかと心配します。
 もう一度、スポーツや武道の練習のあり方自体、また指導者の資質について考えていかなければならないと思います。また国技である相撲は、世界的にファンがいる武道でありスポーツです。そのあり方、相撲部屋の体質も改善すべきところは改善されることを願いたいですね。

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